2012年4月23日月曜日
内部被曝研はフクシマの放射線被曝と闘う市民と科学者の日本の中心となる組織として正式に第一歩を踏みだしました。
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☆ブログ「明日うらしま」
内部被曝研究会結成の記念講演・シンポジウムの動画をご覧ください
http://tkajimura.blogspot.jp/2012/04/blog-post_22.html
本日4月22日、東京で市民と科学者の内部被曝研究会の第一回総会と記念講演・シンポジジウムが行われました。
総会の記録は後から同会の→ホームページで報告されるとおもいますが、記念講演とシンポジウムはIWJの岩上安身氏が会場から実況中継されました。
その記録の動画は以下で見られますので、世界中のみなさまに是非とも見ていただきたくおもいます。
これだけでも5時間近い長さですので、前半と後半が二つに分けて以下で見ることができます。一度に見られない方は、何度かに分けてゆっくりご覧になることをお勧めいたします:
→前半3時間ほど
http://www.ustream.tv/recorded/22034779
→後半2時間ほど
http://www.ustream.tv/recorded/22037692
正式に名誉会長になられた95歳の肥田舜太郎医師の記念講演に始まる、シンポジウムでの科学者と市民運動の報告とその後の、参加した市民と医師による質疑応答と提案は、限られた時間内とはいえ、フクシマ後の日本の諸問題点を、被曝の最前線から世界に伝える濃厚で貴重な記録となっています。
これで、内部被曝研はフクシマの放射線被曝と闘う市民と科学者の日本の中心となる組織として正式に第一歩を踏みだしました。冒頭、肥田医師は「おそらく世界でも初めてのことではないだろうか」と述べられています。まさに歴史的な記録です。
虚偽と隠蔽で成立している世界の核兵器と原子力発電の体制に真っ向から立ち向かう日本の市民運動の成立を、大変誇りに思い慶祝の至りです!発展を祈らざるをえません。これを皮切りにして、世界中の市民と科学者の連帯が始まるでしょう。
多くの科学者の皆さんのご意見や知見は、ここに報告することは無理ですが、「放射線防御で何をなすべきか」に関する経験の裏付けのある提案の中で、わたしの注意を引いた具体的な提案をいくつか挙げておきます。
☆森永ヒ素ミルクや水俣病の経験からして、 放射線被曝の疫学調査は絶対に必要である。これは大規模で長期的なものになるので国がやるべきである。山田 真(小児科医)
☆小学校児童の親は、これから生えかわる乳歯をすべて保存しておく。乳歯のカルシウムには特に半減期の長いストロンチウムが蓄積され、将来にありうる被曝障害発症の際に強力な裁判上の証拠ともなる 。これはかつて地上核実験を禁止させる上でアメリカで内部被曝の証拠として強力な武器になった実績がある。(会場の歯科医の方たち)
これは誰にでもできますので、全国の小学生のいる家庭で、乳歯が保存できれば、これは疫学的にも非常に強力な武器として、世界中の脱原発に貢献できるのではないでしょうか。疫学研究には被災地と非被災地との比較が条件であるために、全国の家庭でのデーターが必要です。(これは梶村のコメント)
☆地方自治体はガレキではなく保養のための子どもを受け入れるべき。政治的意思さえあれば、十分可能である。大沼 淳一(市民放射能測定センター)
実況中継を見ると、今回は壇上からは発言されませんでした、植物遺伝育種学の→生井兵治元筑波大学教授が、ご年配にもかかわらず一市民として質疑応答のマイクロホン係として会場を走り回っておられる姿が見られ、大変に感激しました。ありがとうございました。
☆ブログ「院長の独り言」
福島の子どもたちからの手紙「わたしは何さいまで生きられますか?」
http://onodekita.sblo.jp/article/55433450.html
また、得意の外部被曝だけを測定する方法で安全だと称しているのでしょう。放射能が舞う中での鼓笛隊パレードは、肺の中に放射能を吸い込み、内部被曝につながります。なぜ、放射能を無視して、このような危険な催しをさせるのでしょう。教育委員会がもっとも大事だと思っていることはなんですか?
☆「メルマガ金原」No.916 (一部省略)
「日本の科学者」2012年4月号に掲載された2つの論文
日本科学者会議が編集・発行する「日本の科学者」2012年4月号(Vol.47 No.4)に
次の2つの論文が掲載され、それぞれの著者が運営するサイトに転載されました。
『放射線被曝問題と発言の仕方―健全な議論を妨げる日本社会―』
岡山 博氏(仙台赤十字病院第2呼吸器内科部長、東北大学臨床教授)
http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-28.html
(著者による要約・引用開始)
・心配せずにストレスを減らして免疫力を高めようということは,がん専門家の主要な関心の対象に はなっていない.悩まず笑うことが,がん予防とがん進行抑制に有効な治療法として認知されては いない.
・医学的に認知されていないことを、医学的常識であるかのように説明して、それを根拠に他人を非 難すべきではない.
・専門家が,「被曝を深刻に考えることはストレスを増やしてがんを増やすことだ」と言って,被曝 を話題にしたり被曝対策をとることを妨げた.
・その説明を聞いて人びとは,子や孫と高濃度に汚染された自家野菜を食べ続けた.子どもには食べ させたくないという母親は,神経過敏だ,非常識だと非難された.
・被曝によって生ずる健康被害について,被曝させた行政や東京電力から,被曝した人や被曝を避け るために援助した人達に責任を転嫁した.
・被曝させて本来責任を取るべき人たちまでが安心解説をして,被曝を避けようとする人たちの発言 や人格まで批判し苦しめている.
・福島差別を起こさせないためには,次のことが必要である.
1)福島に貧困を作らないこと.
2)福島の人たちにこれ以上被曝させないこと.
3)事故に責任ある,東京電力の歴代幹部や官僚が処罰されず優遇されたままの状況と,責任なく被 曝させられた被災者の境遇を逆転させること.
・「被害が確認されないうちは,ないものとみなす」という考え方、あり方は誤りだ。
・言葉,論理,議論を大切にする文化・社会を作ることが,基本的な課題だ。
(引用終わり)
※ 岡山氏のブログ→http://hirookay.blog.fc2.com/
ちなみに、「日本の科学者」掲載論文ではありませんが、最近のブログには、
「岩手・宮城の津波瓦礫は全て集め、山積み処分して津波記念公園に整
備を 津波瓦礫の合理的処分法」(2012年3月25日)
http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-29.html
「給食の放射能問題をどう考えるか 解説と私の意見」(2012年3月8日)
http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-27.html
などの注目すべき論考が掲載されています。
また、昨年の12月17日、仙台医師会館において岡山先生が行われた「被曝をどう
避けるか」と題した講演がIWJ宮城1チャンネルでユースト中継されていました。
http://www.ustream.tv/recorded/20032935 (2時間41分23秒)
『「御用学者」批判ができない大学社会』
豊島耕一氏(佐賀大学大学院工学系研究科教授)
http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/UniversityIssues/patronizedscholars.html
(著者による要約・引用開始)
「原発安全神話」をめぐって,これに専門家として荷担した人たちが「御用学者」と呼ばれ,責任が問われている.同時に,新しく流布され始めた「放射線安全神話」はこれから多数の人びとの健康と生命に直接関わるため,緊急に問題とされるべきである.現代社会は専門家による独裁の危険が常にあり,これを防止するには,分野をまたぐ活発な相互批判と,高い水準の「学問の自由」が求められる.
(引用終わり)
※ 豊島氏のホームページ http://pegasus.phys.saga-u.ac.jp/
豊島氏のブログ「ペガサス・ブログ版」 http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/
昨年7月18日に行われた「玄海原発は『安全』か?緊急シンポジウム」のコー
ディネーターを豊島氏が務めておられます。
http://www.ustream.tv/channel/genkai0718 (1時間13分25秒)
期せずして、「原発安全神話」に代わる「放射能・放射線安全神話」を批判する医師、物理学者による注目すべき論文が同じ号に掲載されました。
メルマガNo.904でご紹介した東京大学大学院の島薗進教授(宗教学)による論考と合わせ、是非ご一読ください。
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