2012年12月10日月曜日

敦賀原発「再稼働できない」=田中委員長「活断層の可能性を指摘」―規制委



「戦とは力、力とは兵力」

ソフトバンク孫正義社長インタビュー (日経電子版)

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―――*原発廃止*―――

*即・原発を廃止しても、使用済み燃料や原子炉廃材の放射能と100万年!

*低線量被曝に関しては、ECRR(欧州放射線リスク委員会)の「2010年勧告」を基調にする。

*国家権力の横暴を許さず、主権者である国民の命と生活を守る政権の樹立を!

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敦賀原発「再稼働できない」=田中委員長「活断層の可能性を指摘」―規制委

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「メルマガ金原」No.1193(一部省略)



日本国憲法と自民党改正草案の“前文”を読み比べてみましょう



 多くの国の憲法には、本条の前に「前文」が置かれているのが普通です。そこでは、制定に至る経緯や正統性の根拠、その憲法がよって立つ基本原理などが確認されることが多いようです。

 日本国憲法も例外ではありません。

 ところで、皆さんは、日本国憲法の「前文」を何回くらい読んだことがありますか?私は、多分、数えようとしても数え切れないくらい読んでいると思います。改憲論者が目の敵にする「欧文脈(翻訳調)」も別段気になりません。

 それよりも、その制定に関わった全ての人々(あえてそこにGHQのスタッフを加えることを拒む必要はないと思っています)の英知の結晶から受ける感銘を、読むたびに新たにすることができます。

 出来れば、声に出して読んでみれば、さらに深くその思想を理解できると思います。

 以下に全文を引用します。

  日本国憲法(前文)



 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。

 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

(憲法全文)→ http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S21/S21KE000.html

 

 日本国憲法の3大基本原理として、通常挙げられるのが「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」ですが、前文の構成は以下のとおりとなっています。

 第1段落 国民主権

 第2段落 平和主義、基本的人権の尊重

 第3段落 国際協調

 第4段落 決意表明



 さて、この「前文」を、自由民主党「日本国憲法改正草案」はどうしようとしているのでしょうか?

 とりあえず、読んでみてください。



自由民主党「日本国憲法改正草案」

(前文)

 日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴いただく国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。

 我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。

 日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。

 我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。

 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。

(草案全文)→ http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf





 どうでしょうか?

 まず分量が少なくなっていますね。日本国憲法の約6割といったところでしょうか。内容については、まず自民党自身の改正理由を、例の「Q&A」(Q3の答え)から引用してみましょう。

  http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf



(引用開始)

(前文を改めた理由)

 現行憲法の前文は、全体が翻訳調でつづられており、日本語として違和感があります。そして、その内容にも問題があります。

 前文は、我が国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章であるべきですが、現行憲法の前文には、そうした点が現れていません。

 また、前文は、いわば憲法の「顔」として、その基本原理を簡潔に述べるべきものです。現行憲法の前文には、憲法の三大原則のうち「主権在民」と「平和主義」はありますが、「基本的人権の尊重」はありません。

 特に問題なのは、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分です。これは、ユートピア的発想による自衛権の放棄にほかなりません。

 こうしたことを踏まえ、今回、現行憲法の前文を全面的に書き換えることとしました。

(前文の内容)

 第一段落では、我が国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であることを明らかにし、また、主権在民の下、三権分立に基づいて統治されることをうたいました。

 第二段落では、戦後の歴史に触れた上で、平和主義の下、世界の平和と繁栄のために貢献することをうたいました。

 第三段落では、国民は国と郷土を自ら守り、家族や社会が助け合って国家を形成する自助、共助の精神をうたいました。その中で、基本的人権を尊重することを求めました。党内議論の中で「和の精神は、聖徳太子以来の我が国の徳性である。」という意見があり、ここに「和を尊び」という文言を入れました。

 第四段落では、自民党の綱領の精神である「自由」を掲げるとともに、自由には規律を伴うものであることを明らかにした上で、国土と環境を守り、教育と科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させることをうたいました。

 第五段落では、伝統ある我が国を末永く子孫に継承することをうたい、新憲法を制定することを宣言しました。

(引用終わり/アンダーラインは原文のまま)



 とりあえず、「Q&A」でアンダーラインを引いて強調されている部分を見てみましょうか。まずは、現行憲法(前文)への批判の部分です。



現行憲法の前文は、全体が翻訳調でつづられており、日本語として違和感があります。そして、その内容にも問題があります。

→翻訳調が気に入らないようですが、「違和感」を感じない人もいるでしょう。たしかに問題は「内容」です。



前文は、我が国の歴史・伝統・文化を踏まえた文章であるべきですが、現行憲法の前文には、そうした点が現れていません。



→「歴史・伝統・文化」を踏まえた文章というのがどのような文章を意味するかは、「改正草案」(前文)を読んでみればよいのですが、どうやら、「天皇を戴く国家」という部分や「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」などを指すらしいのですが、天皇制はともかく(これは見解の相違です)、後者に至っては、「なぜそれを憲法で規定する必要があるのか?」という根本的な疑問に行き着かざるを得ません。彼らは、憲法で国民の道徳教育をしようというのでしょうか?



現行憲法の前文には、憲法の三大原則のうち「主権在民」と「平和主義」はありますが、「基本的人権の尊重」はありません。



→ということで、「改正草案」の第三段落にどう書かれたかというと、「日本国民は~基本的人権を尊重するとともに」です。笑ってしまいませんか?何という貧弱な発想と文章力。そもそも、現行憲法前文第二段落には、豊富な人権尊重の思想が表現されています。「専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去」、「ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有する」などの表現がそれです、自民党は、それらの規定を全て削除して、「基本的人権を尊重」という無内容な表現に置き換えようという訳です。つまり、そういう表現しかできないということ自体、基本的人権についての思想が無内容であることの反映です。



ユートピア的発想による自衛権の放棄にほかなりません。

→このような非難の末、削除したのは「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という部分だけではありません。「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて」も「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」も「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」も全て捨て去り、単に「平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する」とするだけです。

 先に述べた「基本的人権の尊重」と同じことで、「平和主義」とさえ書いておけば良いのだろうという、度し難い厚顔(上から目線)ぶりです。

 もちろん、現行前文第一段落にあった「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」など影も形もなく、代わって、「我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において重要な地位を占めており」という夜郎自大というか尊大というか、何とも言いようのない下品な表現となっています。

 もちろん、かつての戦争に対する「反省」などかけらも伺われません。



 ということで、自民党「改正草案」(前文)自体の検討はもういいでしょう。

 憲法の「前文」には、その憲法制定にあたって立脚した根本的思想が凝縮されていることが多いのです。

 日本国憲法も例外ではありません。

 そして、その現行憲法前文を全面的に書き換えようという自民党の(前文)にも、彼らの憲法案の基礎となった思想が凝縮されています。

 是非皆さんも2つの「前文」を何度も読み比べ、その違いを多くの人に伝えていただきたいと思います。



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